Phonitor 3 DAC

120Vテクノロジー搭載
ヘッドフォンアンプ/モニターコントローラー/DAC

Phonitor 3 DACは、120Vテクノロジーを搭載したハイエンド・ヘッドフォンアンプ/モニターコントローラーです。

さらにDACを内蔵しているため、デジタル機器やDAWを使用するプロデューサー、レコーディングエンジニア、マスタリングエンジニアにとって、モニタリングシステムの中核となる製品です。

USB、AES/EBU、S/PDIF入力に対応。アナログSLP120フィルターを搭載した内蔵DACは、最大32 bit/768 kHzのPCM信号と、最大DSD256のDSD信号を変換できます。

アナログセクションには、SPLの大型マスタリングコンソールと同等の120Vテクノロジーを採用。スピーカーでもヘッドフォンでも、極めて高品質なモニタリングを実現します。

アナログ方式のPhonitor Matrixを使用すれば、スピーカーで聴くときと同様のステレオ空間をヘッドフォン上に再現し、高精度なミキシングやマスタリングを行えます。

「Phonitor 3で聴くと、ヘッドフォンでありながら、実際の部屋でスピーカーを聴いている感覚に限りなく近づきます。素晴らしい仕事です、SPL!」

— Adam Ayan

ヘッドフォンで優れたサウンドを

Phonitor 3 DACのフロントパネルには、標準的なステレオフォーンプラグに対応するヘッドフォン出力を装備しています。
非常に大きな出力パワーを備えているため、さまざまなタイプのヘッドフォンを余裕を持ってドライブできます。
SPL 120Vテクノロジーの利点を最大限に引き出し、正確で緻密でありながら、生き生きとしたリスニング体験を提供します。

スピーカーでも優れたサウンドを

リアパネルにはステレオ出力を装備しており、Phonitor 3 DACを高品位なモニターコントローラーとして使用できます。

パワーアンプを内蔵したアクティブスピーカーのほか、パワーアンプと組み合わせたパッシブスピーカーも接続できます。

最高水準のモニタリング

Phonitor 3 DACには、SPLの大型マスタリングコンソール「DMC」や「MMC」と同じ主要技術である120Vテクノロジーが採用されています。

そのため、コンパクトなデスクトップ型の筐体でありながら、大型マスタリングコンソールに匹敵する信号品質を実現します。

SPL MMC 1を使用するBob Ludwig

ヘッドフォンとスピーカーの切り替え

Outputスイッチを使用して、ヘッドフォン出力とスピーカー出力を簡単に切り替えられます。

中央のMuteポジションにすると、すべての出力がミュートされ、VUメーターが赤色に点灯します。

デジタル/アナログ・ステレオ入力

Phonitor 3 DACには、最大6系統のステレオ音源を接続できます。
使用する入力ソースは、Sourceスイッチで選択します

アナログ入力

アナログ側には2系統のステレオ入力を搭載しています。各ステレオ入力は、左右2つのXLRライン入力で構成されています。
バランス出力とプロフェッショナル・ラインレベルを備えたアナログ機器を接続できます。

デジタル入力

デジタル側には、4系統のステレオ入力を搭載しています。

USB

USB Type-B端子を使用して、DAWを直接接続できます。
MacおよびiOSデバイスではクラスコンプライアントで動作するため、ドライバーをインストールする必要はありません。
USB接続では、最大32 bit/768 kHzのPCM信号と、最大DSD256のDSD信号を変換できます。

S/PDIFコアキシャル

S/PDIFコアキシャル入力は、最大192 kHz、16~24 bitの2チャンネルPCM信号に対応します。
接続には、RCA端子を備えたアンバランス仕様の75 Ω同軸ケーブルを使用します。

S/PDIFオプティカル

S/PDIFオプティカル入力は、最大192 kHz、16~24 bitの2チャンネルPCM信号に対応します。
入力端子には、一般にTOSLINKとして知られている光デジタル端子を採用しています。
176.4 kHzまたは192 kHzで伝送する場合は、光ファイバーケーブルの品質が重要です。安価なプラスチック製光ケーブルでは伝送エラーが発生する場合があるため、その場合はガラス光ファイバーケーブルの使用を推奨します。

AES/EBU

AES/EBU入力には、標準的なXLRメス端子を採用しています。
最大192 kHz、16~24 bitの2チャンネルPCM信号を伝送できます。この規格はIEC 60958 Type Iとして定義されています。
接続には、XLR端子を備えたバランス仕様の3芯110 Ωツイストペアケーブルを使用します。

DAC768v2 – 最高品質のためのDAC

Phonitor 3 DACに搭載されているDAC768v2には、高い評価を得ているAKM製プレミアムDACチップ「AK4493SEQ VELVET SOUND™」を採用しています。
そのアーキテクチャーによって、音源に含まれる微細なディテールまで正確に再現。従来モデルと比較して、さらに低い歪みと、より広いダイナミックレンジを実現しています。

最大32 bit/768 kHzのPCM信号に対応し、CDの16倍に相当するサンプリングレートで変換できます。Direct Stream Digitalについても、DSD4/DSD256まで対応します。

FPGAには、新世代のXilinx Spartan 7を採用しています。
小型のSPL DACモジュール「DAC768xs」と異なり、DAC768v2はAES/EBU入力に加え、120Vテクノロジーを採用した最適化済みのSLP120フィルターを搭載しています。

SLP120 (Super Low-Pass)

DACチップのアナログ出力には、不要な高周波成分を除去するローパスフィルターが必要です。

Phonitor 3 DACでは、このローパスフィルターにもSPL独自の120Vテクノロジーを採用しています。これにより、ダイナミクス、ヘッドルーム、音質のさらなる向上を実現します。

新しいDAC768v2専用に最適化されたフィルターは、SLP120(Super Low-Pass)と呼ばれます。

DAC768v2の主な改良点

1. AK4493SEQ
DAC768v2には、旭化成エレクトロニクスの最新世代プレミアムDACチップ「AK4493SEQ」を搭載しています。従来のAK4490と比較して、歪みをさらに低減し、ダイナミックレンジを拡大しています。

2. Spartan 7
FPGAを従来のSpartan 6から、新世代のSpartan 7へ変更しています。

3. 最新世代のSLP120
DAC768v2では、新しいコンバーターチップの特性に合わせて完全に再チューニングされたSLP120ローパスフィルターを採用しています。
ステレオイメージの表現力がさらに向上し、従来のDACでは得られなかった立体的な音像を実現します。

DAC768v2搭載機は、製品のシリアル番号ステッカーに記載された「DAC768v2」の表示で識別できます。

DAC768との互換性

DAC768v2は、従来のDAC768を搭載して製造された機器とは互換性がありません。

DACチップがAK4490からAK4493へ変更されたことに加え、Spartan 6からSpartan 7への変更など、入手困難となった周辺部品も更新されています。

各部品の技術的特性が従来品とは異なるため、SPLが求める音質を実現するために機器本体にも技術的な変更が加えられています。

120Vテクノロジーを採用したアナログ・ローパスフィルターも異なるため、既存のDAC768モジュールをDAC768v2へ単純に交換することはできません。

アルミ無垢材から削り出したボリュームノブ

直径45 mmの大型ボリュームノブは、アルミニウム無垢材から削り出されています。
その重量感と、Alps RK27「Big Blue」ポテンショメーターの滑らかな操作感により、まるで蜂蜜の中でスプーンを動かしているような、しっとりとした感触を実現。モニターレベルを精密にコントロールできます。

妥協のないモニタリング

Phonitor 3 DACは、次の機能を備えた本格的なモニターコントローラーです。
・ 入力ソース選択
・ Phonitor Matrix
・ Crossfeed
・ Speaker Angle
・ Center Level
・ Mono/Stereo切り替え
・ Lateralityコントロール
・ Solo L/R
・ 左右チャンネルの極性反転
・ L/R Swap
・ ヘッドフォン/スピーカー出力切り替え
・ Mute

Mono/Stereo

Mono/Stereoスイッチでは、通常のステレオ信号と、左右を加算したモノラル信号を切り替えられます。

本来のセンター位置を見つける

人間の聴覚には、左右でわずかな感度差が存在する場合があります。この差は、ヘッドフォンで試聴すると特に明確になります。
Phonitor 3 DACは、非常に細かな調整が可能なLateralityコントロールを搭載しています。モニタリング側で左右のレベルバランスを補正し、ステレオイメージを適切な位置へ戻せます。
Mono/Stereoスイッチは、ステレオ/モノラルの切り替えだけでなく、Lateralityコントロールの有効/無効の切り替えにも使用します。

Solo L/R

Solo L/R機能を使用すると、左右いずれか一方のチャンネルだけをモニターできます。
3ポジションスイッチを「L」にすると左チャンネルのみ、「R」にすると右チャンネルのみが再生されます。中央の「Off」ではSolo機能が解除され、通常のステレオ信号が出力されます。

L/R Swap

L/R Swapを有効にすると、ステレオ信号の左右が入れ替わります。
映像への音付け作業で、動きの方向とサウンドの移動方向が一致しているかを確認するときに便利です。
通常はDAWへサンプルを読み込み、左右チャンネルを入れ替えて確認する必要がありますが、Phonitor 3 DACでは試聴中にその場で左右を反転できます。

左右チャンネルの極性反転

Phaseスイッチを使用して、左または右チャンネルの極性を反転できます。
「L」では左チャンネル、「R」では右チャンネルの極性が反転します。中央の「Off」では機能が解除され、通常のステレオ信号が出力されます。

M/Sモニタリング

Mono/Stereoスイッチと左右の極性反転スイッチを組み合わせることで、Mid信号またはSide信号だけをモニターできます。

Monoに設定し、LまたはRの極性を反転するとSide信号だけが再生されます。極性反転を解除すると、Mid信号に相当するモノラル信号が再生されます。

MidとSideを個別に確認する方法は、ミキシングやマスタリングにおいて広く用いられています。

すべてをひと目で確認

左右の入力レベルは、2基の機械式VUメーターに表示されます。

VU Calスイッチを使用すると、VUメーターへ送られる表示信号を−6 dBまたは−12 dB減衰できます。

非常に高い入力レベルでも、VUメーターを見やすい範囲で動作させることができます。

Phonitor Matrix
ヘッドフォンアンプの革新


Phonitor Matrixは、SPLヘッドフォンアンプを象徴する独自機能です。

ミキシング/マスタリングエンジニアは、ヘッドフォンを使用しながら、さまざまなステレオスピーカーシステムでも正確に再現されるミックスを制作できます。

スタジオでのプロフェッショナル用途だけでなく、音楽をスピーカー再生に近い空間表現で楽しみたいリスナーにも適しています。

スピーカーとヘッドフォンの違い

スピーカーで聴く場合、左スピーカーの音は左耳だけでなく右耳にも届きます。同様に、右スピーカーの音も左右両方の耳へ届きます。
一方、通常のヘッドフォン再生では、左右の信号が反対側の耳へ回り込みません。

一般的なヘッドフォン再生

左右のクロス成分が存在しないため、一般的なヘッドフォン再生では、ステレオイメージが不自然に広がります。
その結果、音源がミキシングエンジニアの意図した位置に定位しない場合があります。

Phonitor Matrixによる補正

Phonitor Matrixは、アナログ回路によって不自然なステレオイメージを補正します。
各音源の定位を正しく再現し、長時間でも疲れにくい、リラックスしたモニタリングを可能にします。

Phonitor Matrixによる補正

Phonitor Matrixは、アナログ回路によって不自然なステレオイメージを補正します。
各音源の定位を正しく再現し、長時間でも疲れにくい、リラックスしたモニタリングを可能にします。

Phonitor Matrixの設定

Matrixスイッチで、Phonitor Matrixの動作モードを選択します。

・ All:Center機能を含めてPhonitor Matrixを有効化
・ Cr/A:Center機能を使用せずにPhonitor Matrixを有効化
・ Off:Phonitor Matrixを無効化

Phonitor Matrixでは、左右の信号を遅延させ、レベルを減衰したうえで反対側へ加えることにより、スピーカーに近い聴こえ方をヘッドフォン上に再現します。

主なパラメーターはCrossfeedとAngleです。
・ Crossfeed:左右チャンネル間のクロス成分を設定
・ Angle:ステレオスピーカーの開き角度を設定

最大Crossfeed時における右チャンネル(赤)と左チャンネル(緑)のレベル/周波数補正

Crossfeed

Crossfeedスイッチでは、左右の耳に到達する信号のレベル差を調整します。

このレベル差は、部屋の広さや、室内の反射・吸音特性による影響に相当します。また、頭部による音の反射と吸収は周波数ごとに異なるため、周波数補正も行われます。

スピーカーの設置角度と両耳間時間差

Angle

Angleスイッチでは、スピーカーの設置角度に基づく左右の耳への到達時間差を設定します。

この時間差にも、頭部による非線形な音の反射と吸収を考慮した周波数補正が適用されます。

Center

一般的なヘッドフォン再生の不自然さを脳が補正し続けると、聴覚への負担となり、リスニング疲労につながります。
Phonitor Matrixによってステレオ幅をスピーカー環境に近づけると、ファントムセンターが相対的に強く感じられる場合があります。
Phonitor 3 DACでは、Centerスイッチを使用してセンター信号のレベルを0.3 dBまたは0.4 dB単位の細かなステップで調整できます。
MatrixスイッチをAllにするとCenter機能が有効になります。
センターレベルを適切に減衰することで、ヘッドフォンで制作したミックスをスピーカーで再生した際にも、センターとステレオ成分の音量関係を正しく保てます。

Phonitor Matrixの効果

Phonitor Matrixは、ヘッドフォン再生における不自然なステレオイメージを補正します。

ミキシング/マスタリングエンジニアは、定位や音量バランスをより正確に判断できるようになります。一般のリスナーも、音楽が本来ミックスされた空間表現に近い状態で再生を楽しめます。

長時間のヘッドフォン作業でも、快適で信頼性の高いモニタリングが可能です。

Preamp Out/Direct Out
リアパネルのDIPスイッチを使用して、リア側ステレオ出力のボリュームコントロールを信号経路から外すことができます。
・Preamp Out:ボリュームコントロールを通した可変出力
・Direct Out:ボリュームコントロールを通さない固定出力
どちらの出力モードでも、Phonitor Matrixで処理した信号をリア側ステレオ出力へ送ることができます。

ヘッドフォン出力をさらに強力に
能率の低いヘッドフォンを使用する場合は、リアパネルのDIPスイッチ1を使用して、ヘッドフォン出力レベルを12 dB高めることができます。

音質を最優先した部品選定

SPLでは、測定値や回路設計だけでなく、実際の試聴を重ねながら製品を開発しています。

音質上重要な部品はスルーホール方式で基板へ実装されており、最も音質に優れた部品を使用できる構造になっています。

120Vテクノロジーについて

Expansion Rack

SPL Expansion Rackは、Phonitor 3 DACを19インチラックへ設置するためのラックハウジングであると同時に、接続可能なスピーカーの数を拡張します。

Expansion Rackに内蔵されたパッシブ4系統切り替えスイッチにより、Phonitor 3 DACのスピーカー出力を最大4組のステレオスピーカー間で切り替えられます。

ドイツ国内での自社生産

SPL製品は、ドイツ・ニーダーライン地方のニーダークリュヒテンにある自社工場で製造されています。

ドライバー

■ macOS/iOS
MacおよびiOSデバイスではクラスコンプライアントで動作するため、ドライバーをインストールする必要はありません。
iOSデバイスを接続する場合は、Apple Camera Adapterが必要です。

■ Windows
標準を超えるサンプリングレートで使用する場合は、専用ドライバーのインストールが必要です。

公式ページ掲載の現行ドライバー:
バージョン6.16.0 (クリックしてダウンロード)
公開日:2026年8月6日
Windows 11 25H2まで:x64/Arm64
Windows 10 21H2まで:x64
x86非対応

旧バージョンおよびWindows 7/8/8.1対応のレガシードライバーも掲載されています。

製品情報
製品名 Phonitor 3 DAC
概要

120Vテクノロジー搭載
ヘッドフォンアンプ/モニターコントローラー/DAC

製品仕様
■ 技術仕様
アナログ入出力XLR、バランス仕様
最大入出力レベル+32.5 dBu
入力インピーダンス20 kΩ
出力インピーダンス75 Ω
CMRR−82 dB
周波数特性(0 dBu)10 Hz~100 kHz
THD+N(1 kHz、0 dBu)0.0009%
ノイズ(Aウェイト)−102 dBu
クロストーク(1 kHz)−95 dB
ダイナミックレンジ134.3 dB


デジタル入力DAC768v2
入力対応フォーマット/サンプリングレート
AES/EBU(XLR)PCM:44.1/48/88.2/96/176.4/192 kHz
S/PDIFコアキシャル(RCA)PCM:44.1/48/88.2/96/176.4/192 kHz
S/PDIFオプティカルPCM:44.1/48/88.2/96 kHz
S/PDIFオプティカル・ガラス光ファイバー使用時176.4/192 kHz(1 m未満)
USB Type-B・PCM44.1/48/88.2/96/176.4/192/352.8/384/705.6/768 kHz
USB Type-B・DoP2.8 MHz(DSD64)/5.6 MHz(DSD128)/11.2 MHz(DSD256)
0 dBFS基準レベル+15 dBu
標準ヘッドフォン出力6.35 mmステレオTRSフォーン端子


端子配線Tip=左、Ring=右、Sleeve=GND
出力インピーダンス0.18 Ω
ダンピングファクター(40 Ω)180
周波数特性(0 dBu)10 Hz~100 kHz
クロストーク(1 kHz、0 dBu)−91 dB
THD+N(1 kHz、0 dBu)0.0003%
ノイズ(Aウェイト)−102 dBu
出力(250 Ω、1 kHz、THD 1%)2 × 5 W
出力(32 Ω、1 kHz、THD 1%)2 × 1 W
ダイナミックレンジ134.5 dB


■ 内部電源仕様
内部リニア電源シールド付きトロイダルトランス搭載
アナログオーディオ回路動作電圧±60 V
リレー/LED動作電圧+12 V


■ 電源仕様
電源電圧230 V AC/50 Hz、115 V AC/60 Hz
230 V用ヒューズT 0.5 A
115 V用ヒューズT 1 A
最大消費電力40 VA


■ 寸法・重量
外形寸法(幅×高さ×奥行き)278 × 100 × 300 mm
インチ表記11 × 4 × 11.81インチ
本体重量4.9 kg
梱包時重量5.6 kg


0 dBu=0.775 V
仕様は予告なく変更される場合があります。

製品品質の向上と部品需給状況によって、製品構成などの仕様は予告なしに変更することがございます。

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